拙宅のご近所の農家の門構えである。その佇まいがあまりに個性的なので、絵筆を取らせていただいた。道端でスケッチする私の姿に気づいたこの屋敷のおばあちゃんが、門の前のアスファルト道をこちらに渡ってきて、「あんた、どっから来たんだい」と埼玉訛りで訊いてきたので、「すぐそこの阿部ですよ」と答えたら、「ああ、そこのな」とすぐに分かってくれて、しばし彼女と雑談しながらの作業になった。全然面識が無かったひとなのに、我が家の家族構成のことなどよくご存じだったのには驚いた。こちらはスケッチという形で地域デビューしたばかりの頃だし、もしかしたら母親とはある程度の往復があったのかもしれないが、ともあれ、越谷のまだ古さの残るところを垣間見るような気がしたことも確かだった。出来上がったあと、この絵のカラーコピーを1部プレゼントさせていただいた。
